- いやあ、素晴らしかったです。私はイスラム教など全く知らないものですが、
昨今、「スンニー派」とか「シーア派」とか「ジハード(聖戦)」とか、聞
くので、少し勉強してみようか、と思い、この本をひもときました。
60分x3回分の講義を加筆修正して本にしたものらしいですが、もともとの講
義が、イスラム教のことなど1つも知らず、商売のことばかり考えている経済
人を相手にしたものだったらしく、前提となる知識を全く必要としていません。
教養として、イスラム教を学びたいと思った人ならば、どこかで手に取られる
と非常に参考になると思います。
私ごときが言う資格はありませんが、著者の井筒先生(故人)は慶応義塾大学
・マギル大学(カナダ)で教えた超一流の学者で、イスラム教の世界的な権威
でもあり、信頼に値する著作だと思います。 - なぜイスラームについて語るか? 著者は時流に合わせてではなく、グローバリズムが進行し文化間の対立がやがて起きることを見通しながらイスラームの本質を懇切丁寧かつ簡潔に説く。1981年のことである。ハンチントンが「文明の衝突」を出す十年以上も前にそういう問題意識を持っていた。
イスラームがコーラン解釈を中心とするだけに平和的にも戦闘的にもなる訳だが、これはキリスト教でも仏教でも同じことである。本書の数ページを読むだけで殆どの読者のイスラームに対する理解は一瞬にしてレベルアップすると思う。知識もさることながら、深く静かに思索を促してくれる好著である。 - さいきん、9.11やイラク戦争のこともあって、イスラームに対しての関心が急速に高まっている。だから、手軽でよい入門書はないか。いろんな本があるが、まず最初に読むならこの本が定番だろう。
その理由は、著者がわが国きっての碩学であるということもあるけれど、何よりも著者自身が「取り憑かれた」というイスラームの魅力を、著者自身のことばで説明しているところにあろう。
小室直樹氏も述べている通り、イスラームは実は宗教としてはある意味最も完成度が高い。また現在一番信者数を増加させている宗教でもある(もちろん、これは人口増加率の高い地域はイスラーム圏である、という理由もひとつだ)。その理由を具体的に挙げてわかりやすく説明してくれる。
まあ、スンニ派とシーア派の対立は、イスラームにおけるアラビア語の偏重(アラビア語で書かれたもののみが「コーラン」と呼ばれ、翻訳されたものはコーランではない!)や、ペルシャ語圏にとってはイスラームは外来の宗教である、というコンプレックスもあるのだろうが、それは本書からすればマイナーな問題に過ぎない。
イスラーム対キリスト教文明圏、という政治の問題には触れていないから、そのような話題を問題にしたい向きには別書の方がよいと思われるが、イスラームとはどんな宗教なのかについて知りたい読者には恰好の本であろう。 - 井筒先生がイスラーム研究の世界的な権威だということを聞いて、興味を持って読んでみた。
冒頭で日本人はイスラームについて、無関心だと述べているが、まさに自分がそうだった。
さて、本書では、イスラームについて、宗教では、コーラン、ハディースを解釈する解釈学との説明がなされている。
我々の知っている既存の宗教概念とは、イスラームは全く違うものだと、伺える。
イスラームの態度を大きく分け、外面的なもの、内面的なものを信仰するなどの説明からスンニ派とシーア派の理解が深まる。
イスラームの実態について、よく分からなかったが、これを読んで本質的な抽象的な部分が分かりやすく書かれていて、よく理解できる。 - イスラームといえば、わたしたち日本人は良くも悪くも、あまり印象というか。固定観念というか。「イスラムはこういうものだ。こういう人たちだ。」というのがあまりないと思います。コーラン。聖地メッカ。断食。決まった時間にメッカに向かって礼拝する。などの教科書的なことが少し頭に残っているだけではないでしょうか。
最近、イスラームはいろいろにとりざされています。入門書なども非常に増えています。が、まず信頼できるもの。かつ、読みやすいものとして、本書は非常にお勧めできます。イスラーム研究の先駆者で、コーランの翻訳など著者の実績も十二分です。
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